サラリーマン金太郎に見られる英雄群像

コンビニでつい読んでしまう漫画に「サラリーマン金太郎」(本宮ひろ志)があります。サラリーマンのガス抜き漫画という見方もあるかもしれないけれど、その思想性も以前から気になっていたのでひと言。

高校中退で暴走族だった矢島金太郎がひょんな縁からサラリーマンとなり、坂本竜馬ばりの行動力と魅力で周囲を巻き込みながら活躍するというストーリー。

特に今週のストーリーは現在外資系金融会社でファンドマネージャーとして働いている金ちゃんがジョージ・ソロスならぬ「ジョー・ロス」主賓のパーティに呼ばれ、そこでは司馬遼太郎をパロった「新藤翔三郎」が政治家として立候補を表明、そしてそのお膳立てをしているのが自民党のネット選挙を仕掛けたとして知られる世耕弘成参議院風の「財務省出身 城代誠」、そして投票ファンドのようなインターネットを利用した有権者を募る。。。というお話。

あぁべたなキャスティングだなぁ、と思いながらも、インターネットを利用した選挙活動というのが次回選挙の大きなポイントになるのではないかということは多くの人が想像はしているだけに、こうした形でのシュミレーション漫画が多くの、特に若い浮動層と呼ばれる人たちに与える影響力ってあると感じました(ちなみにヤングジャンプの発行部数は113万部)。しかし「坂の上の雲」に代表される司馬遼太郎作品、「男一匹ガキ大将」そして現代の「サラリーマン金太郎」に渡り脈々と引き継がれているこの本宮さんの思想性、変革の時代ゆえに沁み込むように受けいられる土壌があるように感じます。ナショナリスト的な評価もされつつも、閉塞感打破という点では個人的には面白いなぁ、と思います。