今週思ったこと&気になった視点

ichi352005-10-15

やはりここ数日気になっているのは楽天・TBSの話、日本経済復活の兆し、加熱する人材採用、ネットをめぐるトレンドなど、いくつか気になったトレンドをクリッピング

楽天・TBS、M&Aのお話。当事者の方たちにとっては大変だと思うけれど、企業のあり方、経営のあり方に活力が注がれているような気がして、今後の展開、そしてそこから波及するポジティブな変化にとても興味ありです。さすがフォーサイト、今年の6月に詳細なレポートを掲載されていました。当時は流し読みだったものの、改めて読み返すとそのシナリオの予見力に驚かされます。
【次に狙われるのは「お買い得のTBS」なのか(フォーサイト 2005年6月号 神谷二郎)】


■日本経済復活の兆し‐2005年が何か特別な年になるような気がしています。もちろんメディアでもいろいろいわれていることもあるけれど、実感としても感じています。エコノミスト誌で「日はまた昇る」という特集を掲載されたこともひとつエポックメイキングなタイミングであるような気がします。

■ここ3日間日経新聞での一面の「採用熱帯びる」が特集されたり、新卒採用シーズン開幕、ということがあり、正社員大量採用や、新しい働き方のスタイルというようなことも含めて興味深いです。

■ネットをめぐるトレンドは相変わらずものすごいスピードで動いていて、ついていくのだけでも大変な気がします。ひとつ興味深いトピックは大手検索エンジン会社が始めてきたブログの検索サービスへの注目です。ブログ検索サービスの草分け的な存在であるテクノラティ創立者のインタビュー(Economist 10/6)が印象に残りました。2000年に出版され話題になった「クルートレイン・マニフェスト」を読んだことがきっかけとのこと。。。「市場は会話である〜会話は市場である」ということがポイントですが、いち早くブログ文化を予見していたゆえに一部の人にはこのメッセージが警鐘として響いていたようです。


DAVID SIFRY'S epiphany occurred when he read “The Cluetrain Manifesto”, a book published in 2000 that quickly became a bible in certain Silicon Valley subcultures. Its main thesis is that “markets are conversations” among humans who use language that is “natural, open, honest, direct, funny and often shocking” and above all “unmistakably genuine”, whereas companies and governments are stuck in “the humourless monotone of the mission statement, marketing brochure, and your-call-is-important-to-us busy signal.” But liberation is at hand. The internet, by amplifying the genuine conversations, will make a laughing stock of all those the monotone.

■最後に、今月のフォーサイト(11月号)、今月も盛りだくさん。先日の梅田望夫さん講演会に関しての梅田さん自身の半月おいての感想が掲載されています。曰く、『日本社会には、若い世代の創造性や果敢な行動を刺激する「オプティミズム楽天主義)に支えられたビジョン」みたいなものが決定的にかけているのではないかと』『リシコンバレーで私は、人生の先輩たちが示すおっちょこちょいで楽天的なビジョンと明るい励ましに、どれだけ助けられ、救われてきたことだろう』と述べられて、シリコンバレーで受けた恩恵を日本の若い世代に同じような役割で果たす決意を記されています。海外にいくばくかの期間いたものとして同じ想いを感じることがあります。赤提灯で一杯呑みながら、「社会とはこんなものだよ」と諭す大人にはなりたくない、と改めて思いました。

日はまた昇りはじめた〜エコノミスト誌編集長講演会に参加しました

ichi352005-10-08

英エコノミスト誌編集長ビルエモット氏の講演会に参加する機会がありました。
1時間程度に渡って、世界経済の中での日本の姿がバブル期を経て、そして
今回の選挙の結果を経て、今後5年10年を見たときに彼は非常に「楽観的で
ある」ととても耳心地のいいお話をされていました。日経新聞等にも同様の
インタビューが掲載されています。普段なかなか耳にすることがないマクロ経
済的な用語がものすごい分量で整理されて話されてついていくのは大変
だったものの、ひとつの事象を事例を織り交ぜながら整理して語る技術という
点ですごい、と感じました。


一方で、何か違うと感じたのは、経済指標や統計データの話が豊富にあるも
のの、何か心に響かない。昔FastCompanyの編集長さんが講演をされたとき
に、一番最初に「Personal Stories always win(appeal)」(個人的な物語が常
にアピールする)、「Don't afraid to ask dum questions」(おろかな質問をする
ことを恐れないこと)というようなことをいってくれたことがあり、聴衆と講演者
との一体感をのっけから作ることがうまいなぁ、と感じたことがあります。


講演会カルチャー、イベントプランニング、という点において、2時間の空間を
一緒に過ごした結果生まれる効果を最大限にする際、いろいろな要素が考え
られると思う。ビルエモット氏の講演、その後のパネルディスカッションが終
わった時に会場に「ご質問のある方は挙手を」とモデレーターに言われ「し〜ん」
となったときに、なんとも気まずいような、それでいて会場内の200名を超える
知的な雰囲気を醸し出している人たちの中でなんともいわれぬ感覚が流れた
気が個人的には思います。場所のしかけ、知のダイヤローグのしくみは文化に
よって違いはあるけれど、日本の文化の中での公開ダイヤローグ、しかも英語
環境でのものはもっともっと訓練の機会が必要だ〜、とも強く感じました。


ビルエモット氏訪日のきっかけともなった今週号のエコノミスト誌での【日本
特集記事】が既にウェブに掲載されています。
Survey of Japan -The Sun Also Rises〜Japan's chances of prosperity
and influence look surprisingly bright
会場で質問ができなかった分、ブログで何か反応を示してみたいような、そんな
気がしています。


今回の講演の主催団体のひとつであったEISさんが発行している日本語で読める
エコノミストのサービスはとても便利なサービスだと思いました。要チェックです。

「検索会議」&「ソーシャル・イノベーション・ギャザリング」

今週末参加したイベント、気になったトピックを簡単にupdate

第7回アカデメディア 「第三回 検索会議 『Yahoo! HACKS』」
早くも出ました全文ログ(リンクさせていただきますね)

先日の梅田望夫さんの際と同様、セミナー全文ログをセミナー終了
直後にされている方がいることに新しいトレンドを感じます。こちら
を読まれることで会議の概要、よく伝わってきます。

個人的には課題ワークショップ際に考えた「名刺マップ」という
アイディアでYahoo賞を頂き、嬉しかったです:−)。
Ajax、Hacks、Yahoo APIツンデレ(笑)など初めて耳にすることば
も多かったものの、とても刺激的で実用的な2時間半でした。


ソーシャル・アントレプレナー・ギャザリング 
2005年10月1日(土)-2日(日)

天気のいい週末に部屋の中でのカンファレンス、しかも参加費は安くは
なく、ということで少し考えたものの、やはり人が集まることでうまれる
発見、出会い、アイディアのコラボレーションがあり、意義ある時間で
した。こちらは上記セミナーとは違い全文ログというものは掲載されて
ませんが、時間を見つけてまとめて報告等後日したいと思っています。
1年をかけて世界中にいる社会起業家的な新しい働き方をしている人を
インタビューしているという二人のスイス人の方と会場で会うことができ、
旅の話、彼らのインタビュー・プロジェクトの話を聞かせてもらうことが
でき、とても楽しかったです。
「MyImpact.ch」
↑何十人ものインタビューの記録、写真を見ることができます。


■気になるトピックとして最近気になっていた日経新聞掲載の「mixi
会員数135万人、毎日7000人が参加」について、こんな投稿がblogで
記されていました。

何ゆえmixiから逃亡するのか

MLの限界、そしてSNSの限界?...すべてを否定するわけではないものの、
「early adapter」の参入時期を過ぎて、mixiも密度濃いコミュニティ
から「東京化」というか誰がいるか分からない雑多なコミュニティ、
つまり単なるインターネットスペースになってしまった、とのこと。
鋭い視点です。みんながなんとなく思っていることがついに文字に
なってしまった、という感じがします。実際はどうなんでしょうか。

高橋歩さんというブランド

WORLD JOURNEY

WORLD JOURNEY

本日お会いした方から何気なくお話を聞いて、今までいろいろなところで気になっていた
この方の書いた本、彼の生き方、ブランド、そして社会現象としての高橋歩さんという
トレンドについて、ふと思いをめぐらせてしまいました。

旅を愛するすべての人に対して「世界一周しちゃえば?」と呼びかける「World Jorney」
の出版を記念して、10月1日にラフォーレ原宿でイベントが行われるとのこと。1000人
収容のイベントのチケットがもうどこでも手に入らないという状況を生み出している
高橋歩さんという人についてとても興味を持ちました。テレビや雑誌に登場される姿は
あまり観たことはないけれど、書店のコーナーでひときわユニークな存在感を出している
人ではありますよね。

こちらのご本人のサイト、とてもクールで、センスがいいです。

彼が立ち上げた出版社の名前がサンクチュアリ出版。改めて調べてみたら由来はやはり、
というか当然↓こちらのタイトルからなんですよね。納得。

サンクチュアリ (5) (ビッグコミックスワイド)

「ビッグ・オーとの出会い」との出会い

続ぼくを探しに  ビッグ・オーとの出会い

続ぼくを探しに ビッグ・オーとの出会い

近所に朝4時まであいている書店が先日できたこともあり、せわしなく書店の中をぐるりと駆け足で回っていたら、この本に出会いました。とってもシンプルだけれど、つい考えさせられることの多い、素敵な本でした。学生の時に知人の家の子供さんの部屋に落ちていた英文の本をぱらぱら読んだ記憶がうっすらあったけれど、今回、このせわしない日々のど真ん中に、せわしない街の中で、ゆったりといろいろなことを考えさせてくれる本でした。

中身はぜひ書店で立ち読み(笑)してみてください。こどものことばで書かれた大人のお話、というような読み方もあると思いますが、大切な人とぜひ一緒に読んでみたらいい本なのでは、と思います。

ソーシャルベンチャーのムーブメント、ひたひたと

昨日はSVT(ソーシャルベンチャーパートナーズ(SVP)東京ベイ)代表・
ソーシャルベンチャー 向けビジネスプランコンテスト「STYLE」を率いて
いる井上さんの半年間に渡るアメリカ滞在レポート報告会のような集い
があり、おなじみ恵比寿のETIC隣接のイベントスペースに行ってきました。

社会的に意義ある活動を収益ベースに乗せてクールにおしゃれにやって
いこう、という想いをまさに具現している井上さんの話しっぷりはとても
楽しそうで、気負いがなく、素敵な報告でした。また聞いている参加者も
土曜日の午後たっぷりの時間がかかっていながらもみな聞き入っている
様子。なにかのメッセージを感じていたからなのかな、と思いました。

改めて働き方のスタイルの変化、働くこと・生活することの中での優先順位
の変化?、或いはかっこよく自分流を求める貪欲な人の増加なのかな、
ということを感じます。それぞれの自分のこだわりをクールに(←ここが大切)
にやってしまえ!という人が増えていて、一緒にいても楽しい人が多かった
です。

自分自身も社会起業家的な働き方のスタイル、というキーワードに触れて
かれこれ7年。具体的に何かやってみたいな、と改めて思うひと時でした。

ちなみに井上先生(:−))、この9月からSFCにて教鞭を執るとのこと、
おめでとうございます!下記シラバスのリンクです-。ムーブメントをこれからも
広げていってくださいね。

http://gp.sfc.keio.ac.jp/archives/2004/12/post_13.html

クリントン・グローバル・イニシアチブ開催〜アメリカ版ダボス会議?

ichi352005-09-21

先週末、ニューヨークでクリントン・グローバル・イニシアチブCGI)というカンファレンスが開催されたそうです。そもそも9月のニューヨークというのは国連総会が開催される時期と重なっているということもあり、国家元首NGOの代表の方などが世界中から広く集まり、その時期に併せてこのようなカンファレンスがよく開催されます。

ただ今回のカンファレンスのユニークなところは、クリントンアメリカ大統領の呼びかけで始まったということもあり、豊富な人脈の中で、世界の貧困問題、環境問題、教育・自然災害への救済などのトピックについて語るだけではなく、実際にコミットメントを求めるというところ、とのことです。詳しくは日本から参加された数少ない参加者(3名)のうちのお一人、松本大さんのブログに記載されてますが、1000名の参加者がそれぞれ一人当たり15000ドル(160万円!)の参加費を払い、そして会議の終わりには1500億円相当のお金を世界の社会問題を解決するためのコミットメントとして募ることができたとのこと。すごいですよね。
CNBCやBBCのビデオクリップ、NPRのラジオインタビューがホームページのトップページから視聴することができます。よかったら覗いてみてください(http://www.clintonglobalinitiative.org

今回の会議には、トニー・ブレア英国首相、ライス国務長官ムハマド・ユヌス(グラミンバンク総裁)、ジョージ・ソロスロバート・ルービンら合計1,000名の参加とのことですが、松本大さんも指摘されているように、日本からももっと多くの方が参加すればいいのに、と思います。

以前にゴルバチョフソ連書記長主催の同様のカンファレンス(State of the World Forum)にボランティアで部分参加したことがあります。4日間ホテルに缶詰になり、いろいろな仲間と出会い、語り、という機会でとても刺激的な独特の雰囲気でした。改めて、同じような想いを持ったメンバー同志が集まることにより生まれる化学反応の妙を感じます。これからも毎年9月にこのCGIは開催されるとのことですが、このような動き、ぜひ今後もWatchしていきたいと思います。

共同通信記事へのリンク「貧困、気候など4議題を設定 クリントン氏のCGI会議開幕